最初のころ、個人投資家は「独自のトレード」を身につけていたはずです。しかし、だんだんと感情的になってしまい「心理」的な部分を支配されるようになってから、上手にトレードできなくなってしまいます。
今まで、とても積極的にマーケットへ参加していたのにもかかわらず、いつの間にか「不安」や「恐怖心」などが先行してしまい消極的になってしまうケースがあります。
自分自身でトレード方法を考えて実行していたのにもかかわらず、いつのまにか「強気派」の意見に流されてしまったりする。
自信を失って行くことへの不安と、的確な判断を自分以外に委ねてしまうと最悪の末路が待っていることでしょう。それだけ、強気派の意見というのは影響力があるということです。
トレードする時の感情とそのあとは違う
新規建玉を建てる前では、さまざまな戦略や戦術を考えています。つまり、どのようにしてマーケットに参加するのか?いろいろと試行錯誤するわけです。
この時の感情は落ち着いています。考える事に夢中になっていますから、むしろ好奇心でいっぱいになり、充実した時間を味わっている最中になります。
しかし、いざトレードに参加するようになると感情の変化に気づきます。参加するまでは考えられなかった「恐怖心」や「不安感」などが自分の感情を支配するようになるのです。
どうしてそのように変化してしまうのか?答えは簡単です。マーケットに参加するようになり「お金」というモノが加わったからです。
投資で儲けたいという純粋な欲求が強くなりすぎて、貪欲になっているのでしょう。それは当然のことでありますから問題ありません。
しかしその感情が行き過ぎてしまい、独自のトレード方法さえも変えてしまうことにもなるのです。例えば建玉を2倍にして儲けを倍増させることだけを考えたり、損失の部分が生じたら建玉を2倍にして取り返そうと考えたりと。
欲の支配がトレード方法を崩していく
せっかく順調なトレードをしていたのにもかかわらず、数回の損失を取り戻そうとしたり欲深くなってしまったせいで、自分の正常なトレードがだんだんと崩れて行ってしまうのです。
果たして自分は、投資の世界に向いているのか?なんて考えるようになると自信を無くしてしまっているのかもしれません。
もともとマーケットに向いている人なんていないはずです。社会的な常識やモラルなどが通用しない世界ですから、お付き合いすることだけでも精一杯なわけです。
自分の欲求や感情のコントロールとマーケットに合わせることを同時に行わなければならないのです。だから投資というのは難しいということなのです。
一見すると自由に参加できるように思いますが、自分本位にトレードする事が許されるのは、新規建玉を建てる時くらいでしょう。
マーケットに参加したあとの利食いラインや損切りラインなどは、オートメーションのようなかたちにして参加する事が無難であります。
あとから変更してしまうと、ポジションを都合の良いように動かしてしまう可能性があります。そのように手加減を入れて感情的にトレードするようになったら注意が必要です。
トレードをシンプルに考えてみる
相場というのは上昇トレンド、下落トレンド、停滞相場から成り立っています。じつはこれらの値動きが重なっているだけなのです。
最初の頃はシンプルに考えていたのに、いつの間にか複雑化して捉えてしまうのは、よくあることなので仕方がありません。
そのことが原因で収益が改善できていないのであれば、一旦リセットしてからシンプルに考え直すようにしましょう。
われわれは証券アナリストや経済ストラテジストではありません。専門知識をもって相場を分析する必要はないのです。