自分自身が「集団」に入ってしまわないこと

価格を動かすためには、ある程度の出来高が必要です。それは、上昇する場面でも、下落する場面でも同じことが考えられます。

その時に、「集団」がどちらの方向へ進もうとしているのかを分析する必要があります。投資において集団とは、同じ思考をもって行動する人たちのことを指します。

では一体、どうなったら集団の仲間入りになってしまうのでしょうか?
・証券アナリストや経済ストラテジストの意見を丸呑みする
・メディアや新聞の内容に基づいてトレードするようになる

アナリストたちは分析の専門家です。そして知識も豊富なので説得力があります。メディアに関しても、発言する内容や映像のスペシャリストなので見応えがあるのです。

新聞においても説得力があります。記事を作成しているのはマーケットに詳しいライターや編集者が、適切に判断して書いている「特に日本経済新聞」ので読みごたえがあります。

ただし、上記の情報に基づいてトレードしてしまうと、失敗に終わる可能性があります。何故なら、われわれ個人投資家に情報が届けられた時には、すでに古い情報になってしまっているからです。

そして、彼らはマーケット分析の専門家であっても、マーケットを動かしている中心的リーダーではありません。価格というのはいつになっても、新しい出来事を探し求めて敏感に反応しているわけです。

自分自身が「集団」に入ってしまわないこと

マーケットの世界ではさまざまな要素が混ぜ合わさって、価格が決定されているわけです。その価格を求める時に、専門家の意見だけを尊重してしまうと、自分自身で考えることを辞めてしまいます。

いつの間にか「受け身」の状態でトレードすることになり兼ねません。受動的に行動している時というのは、一見すると自分自身では判断がつきません。とても長い期間に渡って、受け身の状態になってしまっているので、修正するのにはそれなりの時間が必要になります。

大切なことはトレードをする時に、自分自身が「集団」に巻き込まれないようにすることです。どういうことかと言いますと、自分自身でマーケットを判断して、能動的に行動するということであります。

「集団」の反対は「個人」であります。そして、個人はとても孤独感をもたらします。そもそも、弱気派の意見を通すことになりますから、孤立感と閉塞感に悩まされるかもしれません。

「個人」として孤立しているから利益を得られる

トレード初心者の方からすれば、最初から「個人」としてトレードすることは、とても難しいかもしれません。いきなりマーケットに参加すれば、誰だって不安になるのは当然のことでしょう。

一生懸命に情報を探しだしては、なぜ価格が動いたのか?分析したくなるモノです。そうすると、メディアやアナリストなど専門家の意見を聞きたくなってしまいます。

簡単に情報を得られる時代であるからこそ、負のノイズになる事だってあるのです。つまり、自分らしいトレードというのを、生みづらくしている原因でもあるということです。

トレードで儲けるためには、自分自身で考えるということが前提であります。試行錯誤を繰り返しながら、時には失敗するかもしれません。そういう苦しい過程を踏まえながら、自然に利益が生まれていくのです。

引いた目線でマーケットを考えてみる

まずは専門家たちの意見に頼ってしまうと、自分自身が「集団」に依存してしまうということを理解するべきであります。

つまり集団行動というのは、専門家の意見に尊重したトレーダーの集まりということになります。これからメディア、新聞、アナリストなどから情報を集める時には、引いた目線で判断しみてください。

例えば、「株価は続伸してさらに上昇する!」というたくさんの情報が出回った時には、すでに天井であって、次の展開は下落する?かもしれません。

逆のパターンもあります。「株価は続落してさらに下落する!」というたくさんの情報が出回った時には、すでに大底であって、次の展開は再度上昇する?かもしれません。

価格というのはあまのじゃくであります。つねに新鮮な動きを求めて進んでいますから、常識にとらわれずに柔軟に対応することが大切であります。